今月の法話
平成28年9月
仏さまは『すぐそばに』
お釈迦様は、仏法を悟って自らの心(知恵)を磨く大切さを教え、出家してその修行に専念すれば〟苦しみ〟の世界(輪廻の世界)から解脱できるとお説き下さいました。そして八百年前に浄土宗を開かれた、法然上人はお釈迦様の説かれた多くの教えの中から、すべての人が救われる唯一の御(み)教えを選び取って下さいました。それがお念仏です。「西方極楽浄土」という修行成就に適したすばらしい世界がある。そこは、念仏を申す一切の人々を迎えって下さる阿弥陀仏の世界で、出家して修行の成就ができない人でも、その仏を願えば西方極楽浄土へ往生でき、やがて必ず成仏できるのです。だから、「南無阿弥陀仏」ととなえて一心に〟仏を拝みなさい〟と勧める教えです。
この教えがはじめて日本へ広まったのは、戦乱、地震、台風、飢餓が相次いで起こり、人の心が不安にさいなまれていた平安末期の頃。現代の世相も、社会不安、天変地異、食糧難…不思議なことに今も同じ状況にあることがわかります。
何か心細くてしかたがないとき、法然上人の教えを信じて「南無阿弥陀仏」とお念仏を称えていただきたいのです。あなたのことを見つけてくれる仏さまがおいでなのですから。
生けらば念仏の功つもり、
死なば浄土へ参りなん。
とてもかくてもこの身には、
思い煩うことぞなきと、
思いぬれば死生ともにわずらいなし
南無阿弥陀仏
北海道第一 長福寺
梅庭英良