今月の法話

平成29年1月

平等の慈悲

謹賀新年 本年もよろしくお願いいたします。

 阿弥陀様のみ光は誰にでも平等に注がれています。
 そのみ光に気づくと気づかないとでは大きな違いがあります。
 檀家様の葬儀に次の様な会葬礼状をいただきました。
  「頑張れ!まぶたを閉じると甲子園の応援スタンドで、一生懸命に応援する母の声が聞こえてくるようです。
 私たち男兄弟三人は強豪高校の野球部でした。
 甲子園を目指して練習に励み、毎日腹ぺこになって帰ってくる私たちの為に、母は妹と一緒によくカレーライスを作ってくれたものです。
 そのまろやかな味わいは母の愛情がたくさん詰まっているかのようでした。
 共働きで大変だったとは思いますが、そんな様子は一切我々には見せず、時間をやりくりしてくれた母。
 セーターを編んだり、私たち一人ひとりの話しを愛しむように聞いてくれました。
 私たちを見つめるあの優しい眼差しは、今は同じように平等に孫たちへと注がれています。花が好きな母は庭先で季節の花を育て、私たちの目を楽しませてくれました。
 今でも大好きだったカニサボテンを手入れする母の姿がそこにあるような気がしてなりません。」
  このお母さんの愛情に気づいた子ども達はきっと何度も「お母さん」と声に出したことでしょう。
 またその声に答えて、お母さんもさらに愛情を尽くしたのではないかと思います。
  同じように阿弥陀様の大慈悲に気づいたならば、我々もお念仏を申し、その名を呼ぶことによって、救われていくのです。
  ともどもにお念仏に精進いたしましょう。

合掌

                    

尾張 正行寺
祖父江良匡

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