今月の法話
平成29年12月
時は命なり
はっと気がついたら十二月です。この頃は何でもスピード化の時代なのか、お盆過ぎにはおせち料理の注文が始まります。また、テレビを見ているとお葬式の予約まで受け付けています。もう、せわしなくて、せわしなくて、毎日追い立てられているような気分になりませんか。
「時は金なり」という言葉があります。
しかし、いくら大金持ちでも自分の人生の一秒たりとも買うことはできません。死が迫り、あわてて何億円出そうともお金では買えない尊いものが時間です。そして、老若男女、貴賤貧富を問わず、私の一時間もあなたの一時間も全く同じなのであるということです。また、時間はお金のように貯めておくことも、分け与えることもできません。さらには貸し借りや取り替えも不可能です。
本当は「時は命なり」ではないでしょうか。一分一秒の積み重ねが一年一年と過ぎてゆくのです。時間を使うということは、命をけずるということです。つまり、この私に与えられた時間をどう使うかということが大事なのです。その使い方によって、たとえ短い人生であったとしても充実した、輝いた時間であるといえるのです。
もう一年の終わりがきます。この一年を振り返ってみて、あなたの一年は充実していましたか。一番尊い時間の使い方は何といってもお念仏です。忙しい毎日ですが、○○しながらの「ながらねんぶつ」でも結構です。そうすれば、あなたにも必ず幸せな人生の大晦日が待っていることでしょう。
共々にお念仏に励みましょう。
合掌
大阪 正覚寺
阪口祐彦