今月の法話

平成30年11月

はけば散り はらえばまたも 散りつもる 人の心も 庭の落ち葉も

朝晩は大分と冷え込み、秋も深まってまいりました。自坊の裏にあるケヤキの葉がはらはらと散っています。あのように暑かった夏もどこかへ去り、今年も残りわずかとなりました。あとひと月も経てばあちこちのお寺さんで仏名会がつとまることであります。
仏名会とは、過去現在未来の諸仏の仏名を唱えて年内の罪過を懺悔し、消滅する法会です。浄土宗では阿弥陀さまのみ名を唱えて懺悔礼拝につとめます。

盗みせず 人殺さぬをよきにして
  われ罪なしと 思うはかなさ (徳本上人)

思えばこの一年、私たちは気づかぬうちに様ざまな罪過を積み重ねてきました。恰もはらはらと舞い散る落ち葉が重なるように。

私達は多くの生命(肉・魚・野菜)をいただいて生きて来ました。意見が合わないといって相手をないがしろにしようと思ったり、一つの言葉で何人かの人の心を傷つけ たり等等。残念ながらこれらの罪過を自力では滅することのできない私です。お救いくださるのは阿弥陀さまです。

法然上人は、阿弥陀さまが放つ光明が具える清浄な働き によって罪過を滅することができる、とお示しです。光明をいただくのはただお念仏のみであります。お念仏の中の生活であります。

合掌

長野 功徳寺
村上和彦

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