今月の法話

令和3年2月

『難値得遇』

立春を過ぎると、世間では入試の季節を迎えます。今までの勉強の積み重ねが、その日で決まるのかと思うと他人事ながら胸が痛む思いです。私も過去に受験経験がありますが、入試問題を見た瞬間に、もっとあの時に勉強しておけばとよかったと後悔したものです。
「いつやるの。今でしょ。」のセリフのCMで有名になり、今やテレビではお馴染みとなった予備校講師の林修先生は、この言葉が生まれたきっかけについてこのように話をされていました。「今やらなきゃ」と思った瞬間、もう無理してでも何でもとにかく、その物事をやれる時期は今しかないとの考えから、あの有名なセリフが生まれたそうです。そこには、このような理由があります。

「人はできない言い訳とやらない理由を見つける天才」

林先生は人に対して、このような考えが根底にあるからこそ、あの有名な言葉が出てきたのです。そしてこの言葉は、今でも私の日頃の肝となっていて、やらなければならないことはすぐにでも取りかかるようにしているそうです。

元祖大師御法語第一章『難値得遇(なんちとくぐう)』に、このような一文がございます。

『然るを、今、遇い難くして遇うことを得たり。(いたず)らに明かし暮らして止みなんこそ悲しけれ』

訳としては『それを今遇い難い身で仏教のみ教えに出遇うことができたのです。無益に日々を暮して人生が終わるとしたら残念なことです。』ということです。  法然上人は仏法流布の世に生まれ合わせたことを心から喜ばれ、そして仏さまのみ教えによって人生を真実に生きる道、お念仏のみ教えにたどり着かれたのです。浄土宗の教えは、一心に阿弥陀さまのご本願を信じ、口に南無阿弥陀佛と称えるだけです。いつでもどこでも誰にでも、そしてすぐにできる行です。では皆様はいつからされるのでしょうか?

訳としては『それを今遇い難い身で仏教のみ教えに出遇うことができたのです。無益に日々を暮して人生が終わるとしたら残念なことです。』ということです。  法然上人は仏法流布の世に生まれ合わせたことを心から喜ばれ、そして仏さまのみ教えによって人生を真実に生きる道、お念仏のみ教えにたどり着かれたのです。浄土宗の教えは、一心に阿弥陀さまのご本願を信じ、口に南無阿弥陀佛と称えるだけです。いつでもどこでも誰にでも、そしてすぐにできる行です。では皆様はいつからされるのでしょうか?

十念

兵庫 安楽寺
曽和 正宏

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